フォーラムの紹介



あいさつ
会長 阿部哲史

 武道文化フォーラムは、ハンガリーの特定非営利活動法人として2001年6月に発足しました。活動の目的は、日本と欧州の武道愛好者が、情報交換や交流を通 じて武道文化に対する理解を深め、その価値を国際社会に向けて広く発信することにあります。

  近年、日本文化は海外において高い人気を誇り、なかでも、武道愛好者の急増には目を見張るものがあります。ところが、実際にその関心は意外にも皮相なものにとどまり、単なる競技スポーツや暴力的な見世物として矮小化され、人々の生活と結びついた文化認識にまで至っていないことも少なくありません。武道の文化性についての深い理解は、ごく一部の愛好者のあいだにみられるに過ぎないのです。
阿部哲史

 こういった傾向は、武道が海外に普及される過程で、競技性ばかりが先行して強調されてしまったことにもありますが、むしろ、武道の文化性に関する知識・情報の伝達を担う、組織立った環境整備が立ち後れたことに最大の原因があります。武道は、これからますます世界に広まり、人類が共有する文化現象のひとつとして発展していくことが予想されます。しかし、現状のまま普及が進むようであれば、文化性に極めて乏しい内容だけが武道の特性として世界に定着してしまうことにもなり兼ねません。

  今、21世紀の武道界に求められることは、武道文化の本質を、普遍的な知識である言語を通 して確立し、国家・人種・民族の壁を越えた人類が共有し得る文化としての価値を国際社会に広く提供していくことです。具体的には、「武道文化とは何か」、「武道文化は人類にどのような価値をもたらすのか」といった海外の人がもつ素朴ではあるが根源的な問いかけに、日本の愛好者や研究者が耳を傾け、日本のみならず世界全体を視野にいれて武道の将来象を模索していくことです。海外在住の愛好者の多くも、日本人のリーダーシップによる武道文化普及の推進を強く望んでいます。

  このような視点に立ち、フォーラムは、世界の愛好者や研究者が互いに情報を交換し、交流の輪を拡大するための国際組織を目指しています。そして、我々は、この活動が武道文化の普及のみにとどまらず、日本と諸外国の人々の相互理解を育み、国際平和の発展に大きく寄与することを確信しています。

  武道の愛好者や研究者に限らず、幅広い分野にまたがる多くの方々が本フォーラムの活動にご関心を持っていただけることを祈っています。

 

 
   
 
 

 近年、欧州をはじめ世界各地における武道普及には、愛好者の増加や組織の拡大、並びに競技的側面 における高度化など著しいものがあります。しかし、そこには、武道の一側面 である競技スポーツ性の偏重と暴力性の誇張がみられることも事実であり、その本質である文化性の理解については非常に乏しいと言わざるを得ません。

  欧州における愛好者の武道への憧憬は、日本固有の文化としての特性にありますが、そのニーズに応える武道ひいては日本文化自体に関する情報量 の不足や指導システムの未整備など、国際化には厳しい現実が山積しています。これらの課題の放置は、伝統的運動文化財に対する看過できない曲解を招来することになると考えられます。

  国際社会のキーワードのひとつは異文化理解であり、そのためには交流組織の設立が必要不可欠な要件となります。そして、今、新しい社会モデルの構築が問われる中、希求されるのは従来の政府主導に拠らない、文化の交流・理解を促進する市民が主体的に関わる組織であります。

  本フォーラムは、欧州における武道文化の定着と彼我の国民間における相互理解、さらには日欧の交流発展に寄与することを目的としています。具体的には、

   1)武道文化の普及・研究
   2)武道文化の啓発および広報
   3)武道文化の普及に携わる人材の養成
   4)その他フォーラムの趣旨を達成するために必要な事業

の4点を通して、武道文化の発展を目指すものであります。


 
   
 
 
2000年4月25日
武道文化フォーラム設立準備委員会を設立

設立準備委員:阿部哲史(代表)
       横山勝彦
       ベルグ・クリスティアーン他数名

2000年11月15日
武道文化フォーラムを設立

2001年6月18日
武道文化フォーラムをハンガリーのNPO法人として登記完了